アレルギー性鼻炎ってどんな病気?


くしゃみや鼻水、鼻づまりが続いてつらい…そんな経験はありませんか?
もしかしたら、それは「アレルギー性鼻炎」かもしれません。
アレルギー性鼻炎とは、花粉やハウスダスト(ホコリ・ダニ)など、私たちの体にとっては本来それほど害のないものに、体の免疫が過剰に反応してしまうことで起こる鼻のトラブルです。
主な原因は?
アレルギー性鼻炎の原因になる物質(アレルゲン)は人それぞれですが、代表的なものとして次のようなものがあります。
- 花粉(スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネなど)
季節ごとに症状が出やすい「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)」 - ハウスダスト(ダニ、ホコリ、カビなど)
年間を通して症状が続く「通年性アレルギー性鼻炎」
最近では、気温差やストレス、空気の乾燥なども症状を悪化させる要因といわれています。


症状はどんなもの?
アレルギー性鼻炎の主な症状は次の3つが代表的です。
☑くしゃみが止まらない
☑サラサラした透明の鼻水が出る
☑鼻がつまって息苦しい
このほかに、目のかゆみや涙、のどのイガイガ、頭がぼーっとするなど、日常生活に影響が出ることもあります。
診断と検査について
症状だけである程度診断がつくこともありますが、より詳しく調べたい方にはアレルギー検査(血液検査)をおすすめしています。
何に反応しているかがわかれば、対策も立てやすくなります。
治療法は?
アレルギー性鼻炎の治療には、次のような方法があります。
1. お薬での治療
- 抗ヒスタミン薬(くしゃみ・鼻水をおさえる)
- 点鼻薬(鼻づまりをやわらげる)
- ロイコトリエン拮抗薬(症状を全体的にやわらげる)
眠くなりにくい薬など、ライフスタイルに合った処方も可能です。
2. アレルゲンの回避
原因となる物質をなるべく避けることで、症状を軽くできます。
- 花粉の季節にはマスクやメガネを着用
- 窓を閉めて空気清浄機を活用
- こまめな掃除でハウスダスト対策
3. 舌下免疫療法(スギ花粉・ダニに対して)
原因が明らかな場合、アレルギーの体質そのものをやわらげていく治療も選択できます。
毎日少しずつアレルゲンを体に慣らすことで、長期的に症状を改善する可能性があります。
4. 抗IgE抗体治療薬(オマリズマブ)
重症・最重症のスギ花粉症の方で、上記治療で効果不十分な場合に抗IgE抗体治療薬が用いられます。
投与方法は皮下注射で、投与量は体重と血液中の総IgE値から計算されます。2〜4週おきに受診が必要です。
最後に
アレルギー性鼻炎は命に関わる病気ではありませんが、日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうこともある、つらい症状です。
「毎年のことだから仕方ない」「市販薬でごまかしている」という方も、ぜひ一度ご相談ください。
当院では、患者さん一人ひとりの体質や生活に合わせた治療を大切にしています。
快適に過ごせる毎日のために、一緒に対策を考えていきましょう。


- 執筆者
- 山内 雅裕
ぎふ糖尿病・内科クリニックやまうち
院長/糖尿病専門医・内科医
当クリニックでは、糖尿病をはじめとする生活習慣病を専門としていますが、総合内科医としても、さまざまな病気の診療に対応しています。
- 所有資格
日本内科学会 認定内科医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医