高尿酸血症とは


「高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)」は、血液の中に尿酸という物質が多くなっている状態です。
尿酸は、食べ物や体の細胞の代謝でできる“プリン体”という成分が分解されてできる老廃物であり、体内で適度な量であれば抗酸化作用など生体にとって重要な役割を担っています。
通常は腎臓から尿として排出されますが、作られすぎたり、うまく排出できなかったりすると血液中にたまってしまいます。
主な原因
高尿酸血症は、いくつかの理由で起こります。
- 食事の影響
お肉や魚の内臓、ビールなどのアルコール、甘い飲み物(果糖を多く含むジュース)などは尿酸値を上げやすくします。 - 排出の低下
腎臓の機能低下、脱水、特定の薬剤、アルコールの摂取などで尿酸の排泄が低下し、尿酸が体にたまりやすくなります。 - 生活習慣や体質
肥満、運動不足、遺伝的な体質も関係します。
放っておくと…
高尿酸血症そのものには自覚症状がないことも多いのですが、尿酸値が高いままだと、ある日突然「痛風(つうふう)」と呼ばれる強い関節の痛みを起こすことがあります。
また、尿酸は腎臓にも悪影響を与え、尿路結石や慢性腎臓病、さらに心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化に関連した病気のリスクを高めることもあります。
治療と予防
高尿酸血症の治療は、生活習慣の見直しから始まります。
- 食事
プリン体を多く含む食品やアルコールを控え、野菜や海藻などバランスの良い食事を心がけます。 - 水分補給
1日1.5~2リットル程度の水分を摂ることで、尿酸の排出を助けます。 - 適度な運動
急な激しい運動は避け、ウォーキングやストレッチなど無理のない運動を続けましょう。 - 薬による治療
生活改善でも尿酸値が高いままの場合や、痛風発作を繰り返す場合には、尿酸の産生を抑えたり排出を促すお薬を使います。


まとめ
高尿酸血症は、症状がなくても放置すると健康に大きな影響を与えることがあります。早めに生活を整え、必要なときは医師や看護師、栄養士と相談しながら治療を進めることで、痛風や腎臓病を予防できます。
当院では、一人ひとりの生活や体質に合わせたアドバイスと治療を行っていますので、安心してご相談ください。


- 執筆者
- 山内 雅裕
ぎふ糖尿病・内科クリニックやまうち
院長/糖尿病専門医・内科医
岐阜地区の様々な規模の病院で20年以上にわたり幅広い経験を積んできました。その経験から、病気の予防や早期発見、総合的な診療の重要性を痛感し、当クリニックを開業するに至りました。
当クリニックでは、糖尿病をはじめとする生活習慣病を専門としていますが、総合内科医としても、さまざまな病気の診療に対応しています。
当クリニックでは、糖尿病をはじめとする生活習慣病を専門としていますが、総合内科医としても、さまざまな病気の診療に対応しています。
- 所有資格
日本内科学会 認定内科医
日本糖尿病学会 糖尿病専門医